2009年8月22日(土)
高さ2メールを越え、360度見渡すかぎりブルーベリーの香りと彩りの空間の中で1日をすごしたことのある人はどれほどいるだろうか。
そんな夢のような空間で、これまでの長谷川師匠の教えの総決算がためされる1日となった。
朝、門をくぐると、さっそく前回の復習で、師匠自ら梅干し作業の秘技を見せてもらった。
まず巨大水槽の梅をザルですくう、次に水流だけで約1メートル四方の箱のすみずみに一粒一粒の梅を沈めていく。さらに清流シャワーで洗い流す。これらの一つひとつの作業を、なんと、携帯カメラで写して保存する4~6秒間では間に合わないほどのスピードで成し遂げていった。しかも、箱の中の梅は均等に美しく並んでいる。この技の見事さに唖然としていると、師匠の力強い指示が飛んだ。
「今日は、ブルーベリーの収穫だ」
その瞬間、これまでの師匠の口癖が脳裏をよぎった。
「ブルーベリーの収穫をすれば、個人の力量が誰からも一目でわかる。両手をつかえているか、摘み残しはないか、作業スピードは、全体を把握してチーム作業できているか・・・」
これまでの数々の学びが試される不安をぬぐうため、「失敗はない。すべては学びである」と自分自身に言い聞かせながら、ブルーベリーの畑にはいっていった。
「ドカーン!」
いきなりの爆発音。脱兎のごとく駆け出す従業員の後を恐るおそるついて行くと、プロパンガスにタイマーと爆音管がついた装置があった。おいしいブルーベリーを略奪にくる小鳥たちを驚かすための装置だ。
どんな構造であんな爆発音が響くのか悩んでいると、いつの間にか、収穫がはじまっていた。
あわてて見よう見まねで収穫にとりかかった。
まずは、両手で、スピードをあげることに挑戦。ところが、枝にさわるだけで落ちてしまう実が続出。その失敗感と罪悪感に鞭打たれながら、どうしたら確実に早く収穫できるのかと悪戦苦闘の連続・・・
そんな時だった。ふっと「周りの人のよい技を盗め!」という師匠の言葉が脳裏をよぎった。
さっそく周りを観察して、ようやく自分の間違いに気づくことができた。
「そうか、手のひらを上にして、10本指で熟した実だけを落としていけばいいのだ」
また、高いところの収穫は脚立をもった人との連携も大切なことも学んだ。
なれてくると、今年の枝なのか、2年前の枝なのか、剪定や枝振りを確かめる余裕もでてきた。
周りが見え、果樹との対話ができるようになって、ようやく収穫が楽しめるようになった。
今日の収穫チームは8名。1時間半ほどで、大きなコンテナ3箱分の収穫ができた。
休憩時間には、よく冷えた「スイカ」「シャーベットプリン」「初物みかん」などをごちそうになった(感謝)
全国的に作業がつらくて農業をあきらめる若者が多い中、「何が一番の魅力ですか」と質問してみた。
「やっぱり収穫の喜びかなあ・・・」
みんなで楽しく収穫をしながら、「なるほど」とその言葉の重みを実感した1日だった。
15時には、梅干し作業をしていた師匠が迎えにきてくれた。
次回の厳しく楽しい果樹の体験にわくわくしながら、妻の土産に初物みかんをもちかえった。(つづく)
高さ2メールを越え、360度見渡すかぎりブルーベリーの香りと彩りの空間の中で1日をすごしたことのある人はどれほどいるだろうか。
そんな夢のような空間で、これまでの長谷川師匠の教えの総決算がためされる1日となった。
朝、門をくぐると、さっそく前回の復習で、師匠自ら梅干し作業の秘技を見せてもらった。
まず巨大水槽の梅をザルですくう、次に水流だけで約1メートル四方の箱のすみずみに一粒一粒の梅を沈めていく。さらに清流シャワーで洗い流す。これらの一つひとつの作業を、なんと、携帯カメラで写して保存する4~6秒間では間に合わないほどのスピードで成し遂げていった。しかも、箱の中の梅は均等に美しく並んでいる。この技の見事さに唖然としていると、師匠の力強い指示が飛んだ。
「今日は、ブルーベリーの収穫だ」
その瞬間、これまでの師匠の口癖が脳裏をよぎった。
「ブルーベリーの収穫をすれば、個人の力量が誰からも一目でわかる。両手をつかえているか、摘み残しはないか、作業スピードは、全体を把握してチーム作業できているか・・・」
これまでの数々の学びが試される不安をぬぐうため、「失敗はない。すべては学びである」と自分自身に言い聞かせながら、ブルーベリーの畑にはいっていった。
「ドカーン!」
いきなりの爆発音。脱兎のごとく駆け出す従業員の後を恐るおそるついて行くと、プロパンガスにタイマーと爆音管がついた装置があった。おいしいブルーベリーを略奪にくる小鳥たちを驚かすための装置だ。
どんな構造であんな爆発音が響くのか悩んでいると、いつの間にか、収穫がはじまっていた。
あわてて見よう見まねで収穫にとりかかった。
まずは、両手で、スピードをあげることに挑戦。ところが、枝にさわるだけで落ちてしまう実が続出。その失敗感と罪悪感に鞭打たれながら、どうしたら確実に早く収穫できるのかと悪戦苦闘の連続・・・
そんな時だった。ふっと「周りの人のよい技を盗め!」という師匠の言葉が脳裏をよぎった。
さっそく周りを観察して、ようやく自分の間違いに気づくことができた。
「そうか、手のひらを上にして、10本指で熟した実だけを落としていけばいいのだ」
また、高いところの収穫は脚立をもった人との連携も大切なことも学んだ。
なれてくると、今年の枝なのか、2年前の枝なのか、剪定や枝振りを確かめる余裕もでてきた。
周りが見え、果樹との対話ができるようになって、ようやく収穫が楽しめるようになった。
今日の収穫チームは8名。1時間半ほどで、大きなコンテナ3箱分の収穫ができた。
休憩時間には、よく冷えた「スイカ」「シャーベットプリン」「初物みかん」などをごちそうになった(感謝)
全国的に作業がつらくて農業をあきらめる若者が多い中、「何が一番の魅力ですか」と質問してみた。
「やっぱり収穫の喜びかなあ・・・」
みんなで楽しく収穫をしながら、「なるほど」とその言葉の重みを実感した1日だった。
15時には、梅干し作業をしていた師匠が迎えにきてくれた。
次回の厳しく楽しい果樹の体験にわくわくしながら、妻の土産に初物みかんをもちかえった。(つづく)